女性に対する暴力撤廃国際デーにあたり、国連女性機関(UN Women)が主導する「世界をオレンジ色に:団結しよう!女性と少女に対する暴力撤廃への行動に!」キャンペーンにイタリア外務・国際協力省及び在外イタリア公館が参加します。同キャンペーンは、今年、これらの問題に対する世論の意識を喚起するために、その運動に携わる団体や、女性・少女活動家を含む市民社会のアクターが、根本的な貢献をすることに焦点を当てています。イタリア外務・国際協力省は、ジェンダー平等への取り組みを強化することを確認し、今日まで世界のいずれの国でも達成したとは言えない男女平等に向けて、重要な新しいステップを踏み出すように、すべての人に呼びかけます。
世界の多くの地域で、特に武力紛争や緊急事態において、女性、少女及び女児は、差別、暴力、虐待、搾取の犠牲者であり続けています。アフガニスタン、エチオピア、ウクライナ、イランといった現在最も深刻な国際情勢においては、女性の苦境だけでなく、特に、女性がより包容力と柔軟性のある社会を構築するための才能、勇気、貢献が中心テーマになっています。新型コロナのパンデミックや戦争、長引く危機の影響は、既存の脆弱な状況を悪化させ、家庭内暴力や虐待の事例の増大を招いています。国連のデータによると、現在でも女性の3人に1人が一生の間に身体的・精神的な虐待や暴力を受けた経験があることが示されています。2021年には、女性の10人に1人が家庭内暴力の被害者でした。
これらの憂慮すべきデータを前にして、イタリアは改めて、あらゆる形態の女性に対する差別と暴力が容認できない事態であり、ジェンダー平等の達成、権利の効果的な享受、個人の充足感に対する重大な障害であるとして、断固として非難します。
女性と少女に対するあらゆる形態の差別、暴力、虐待との闘いは、我が国の外交政策の優先事項であり、イタリア外務・国際協力省は、外交、緊急事態及び開発協力のための活動において実施しています。イタリアは常に最前線に立って、女性性器切除(FGM)、早婚・強制結婚の廃絶など、数多くの国際キャンペーンに参加しています。
女性に対するあらゆる形態の暴力撤廃と女性のエンパワーメントという目標は、イタリアの外交政策と国際協力活動における中心に位置しています。このことは、国連人権理事会における最近のイタリアの任期(2019年-2021年)中において、2021年にイタリアが議長国を務めたG20の中で女性のエンパワーメントを取り上げた初のハイレベル会議を開催したことや国連総会の一環としてアフガニスタンの女性を取り上げたアドホックイベントを開催したこと、欧州評議会の閣僚委員会でイタリアが議長国を務めた6カ月間(2021年11月から2022年5月)において、優先事項に含まれていたことにも表れています。イタリアは、欧州評議会の閣僚委員会において、「女性に対する暴力及び家庭内暴力の防止と撲滅に関する欧州評議会条約」(所謂「イスタンブール条約」)を支持し、推進しました。
現在でも、世界の多くの地域で行われている戦争や緊急事態において、女性や少女が特に暴力や虐待の危険にさらされていることが改めて確認されています。そのため、市民社会を含む国際社会のすべてのアクターと共に、これらの容認できない行為を永久に廃絶するためにさらに努力し続けなければなりません。
また、組織内での働き方に関しても、イタリア外務・国際協力省は、ジェンダー平等を推進し続けており、2021年通達第3号の採択によって、男女平等の推進における最高基準に準拠しています。また、本年1月18日に、働き方や組織の厚生に関する2022年通達第1号を採択し、日常業務において、差別禁止及び実効的平等の積極的推進という憲法上の原則の具体的実施を常に重視する必要性を確認しています。