未来のイタリア展

４月１６日、イタリア文化会館（東京都千代田区）にて、イタリアの技術研究を紹介する「未来のイタリア」展の開会式が行われました。イタリア外務省のもとに、国家学術会議（CNR）、イタリア技術研究所（IIT）、国立核物理研究所（INFN）、ピサ聖アンナ高等学院大学などの主催で行われる本展は「日本におけるイタリア2013」の科学技術メイン・イベントです。

一ヶ月の会期中、各種セミナーや会議などを通して、イタリアが世界をリードする科学技術、先端技術製品などを日本側技術研究界および産業界関係者に紹介していきます。また当展に技術提供をしたイタリア側研究機関と日本側関係機関との意見交換会や交流会も行う予定で、ロボット工学、素粒子物理学、医学、運送、新しいメード・イン・イタリー、文化財保護とその修復といった各分野におけるイタリア科学技術の功績を紹介しながら、日伊両国における科学技術分野での協力関係の強化、また日本において新しいイタリアのイメージを広げることを目的としています。

当日の開会式では、冒頭ドメニコ・ジョルジ駐日イタリア大使が挨拶に立ち、「今回の企画展は、歴史と美術にあふれるイタリアのイメージに、先端技術分野での製品生産でも優れているという新たな一面を付加するものです。また日本側から多大なご協力をいただき本展を実現できたことは、イタリアが科学技術分野のパートナーとして日本から支持されている証です」と述べました。

 

パネルディスカッション及びテープカットには、イタリアからは国家学術会議(CNR) ルイージ・ニコライス会長、イタリア技術研究所(IIT) ロベルト・チンゴラーニ科学部長、聖アンナ高等学院大学パオロ・ダリオ バイオロボティクス研究所長、国立核物理学研究所(INFN) フェルナンド・フェッローニ所長が、日本側からは2001年ノーベル化学賞を受賞された理化学研究所理事長 野依良治教授、STSフォーラム 尾身幸次理事長、日本学術振興会 安西祐一郎理事長が参加しました。その中で野依理事長は、科学研究の成果に歴史的な貢献をしたイタリアへ感謝を表し、特に自身の研究活動さらにノーベル化学賞受賞へと導いたイタリア人化学者ルイージ・サッコーニ（1911～1992）の功績について講演されました。

 

「未来のイタリア」展は東京イタリア文化会館で5月17日まで開催いたします。会期中には、1988年に調印された日伊科学技術協定の第10回実行プログラムへの署名式が執り行なわれる予定です。

 

また5月中旬まで下記の関連イベントの開催を予定しております。

人間とヒューマノイド～ロボティクスのための技術

イタリア製ロボットiCubの実演など

期日：4/17

場所：東京

主催：イタリア技術研究所、聖アンナ高等学院大学、早稲田大学、東京大学

明日の海に関する共同研究

海の再生エネルギー、環境にやさしい運送などについてのセミナー

期日：4/17

場所：東京

主催：イタリア国家学術会議、 海上技術安全研究所

 

未来の重力波検出にむけて

期日：4/19

場所：東京

主催: イタリア国立核物理学研究所、東京大学、EGO-European Gravitational Observatory

 

アジアにおけるイタリア：科学技術イン京都２０１３

イタリアとアジア諸国（日本・韓国・中国）の科学者と国際的に活躍する科学者が一堂に会し、材料科学分野における最先端技術に関する発表や議論を行います。

期日：4/26

場所：京都

主催：京都工芸繊維大学、ヴェネツィア大学「カ・フォスカリ」

 

正常・癌組織におけるイオン動態と機能

がん治療に関する日伊研究のこれまでの成果と今後の課題

期日：4/27

場所：京都

主催：京都工芸繊維大学、三重大学、東京医科大学、大阪大学

 

高齢社会に関するイタリア・日本合同会議～神経変性疾患の予測に対する今後の連携と挑戦～

平均寿命の著しい伸長に見られる現在の人口動態は、パーキンソン病やアルツハイマー病、ハッチンソン病などの神経変性疾患の有病率を押し上げるという疫学的側面を持っている。今回のセミナーは、イタリア側と日本側の経験と研究成果を紹介しながら、今後のアルツハイマー病を発症リスク予測法について議論します。

期日：4/23

場所：東京

主催：北海道大学（札幌）、トリノ工科大学（イタリア、トリノ）、東北大学（仙台)、ミラノ・ビコッカ国立大学 ALIAS（イタリア、ミラノ）、トリノ国立大学（イタリア、トリノ）、東京大学（東京）

 

情報セキュリティEXPO（IST）

第１０回情報セキュリティEXPO（IST）にて、日伊共同主催の特別展